読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

『鎖』/Leaf(Win)

Leafがリョージョクゲーを唄った本作、のっけからポカーンなシーンからスタートしますが、そんなの序の口。ゲームは基本的に2本の大ルートで進み、そこから各ヒロインのエンドへと分岐しています。その大ルートは、折原親子を犠牲にするか綾之部姉妹を犠牲にするかで別れます。つまり絶対誰かは犠牲になる。みんな無事で終了というエンドはないのです。Leafのくせになんたる英断(笑)。そんなエロが回避不可な上、陵辱系というより拷問系に近いのでユーザーによってはかなり敬遠気味になるだろうし(実際やってるこっちは結構クラクラしてくる感じですよ?)、逆にそういうのが好きな人にとっては内容が薄いと取られるかもしれない。Leafとして「慣れない事をやろうとして半端になった」のか「ハジけきれずに半端になった」のか、そんな感じなのであります。そんな中、残ったヒロインを守りつつ、犠牲になったヒロインも奪還しつつ犯人と対決していくわけですが‥‥
ゲームは『遺作』『慟哭…』系の懐かしの「館モノ」に類するわけですが、自分としてはこのタイプのゲームはさらに「謎解明アドベンチャー」と「状況回避アドベンチャー」に分類しています。『鎖』は後者。犯人が明らかになっている状況で、降りかかる危機を回避していく感じです。『遺作』系ですね。自分としては、『慟哭…』タイプの犯人を解明しつつも脱出を試みていく謎解きタイプを期待していたのだけど、まぁ、舞台的にも登場人物的にもそりゃ無理だね。ただしこれら2作は画面クリックなどある程度ユーザーの閃きも要したりしますが、『鎖』はそういう事はなく、コマンド選択によるフラグの組み立てで攻略しています。時間をかければ攻略を知らなくたって解けるわけですね。ユーザーフレンドリーな方法と思われます。ぶっちゃけ物足りなすぎるけどね
「館モノ」は昨今好まれているタイプとは違ったシナリオ、テキストの質を要求されるものですが、一応サスペンスチックな盛り上げ方についてはツボは抑えていると思います。ただ、正直そういうノリをぶち壊しにするテキストが随所に盛り込まれてるのが、ライター的なのかメーカー的なのかそういうオサレ演出なんでしょうが、読んでるこっちは頭が痛いっつーかムカつくとか、ともかくそんな気分になるテキストなんですよ。ルートが違ってキャラの立場が違う上でのDQN化はいいですよ。むしろこれはB級ホラーにあるへっぽこ脇役の存在感を出していると思います。そんな中、テキストにも「空気を読めよ」なんて言葉が出てきたりもしますが、もっとそれ以外のとこで空気嫁よ!と。
軽くシナリオの内容と登場人物に触れておくと、とりあえず綾之部姉妹犠牲ルートでの明乃とちはやのポンコツコンビはどうにかしてくれよ‥‥。ルート的にこちらは、内に潜む不安と戦っていく事になります。色々な意味での犯人は丸わかりなんですが、サスペンス的盛り上げてとしてはこっちの方が上かと。“事の真相”もこちらのルートで明らかになる様なので、ゲームとしてはこちらが正道なのだと思います。対して、折原親子犠牲ルートは、戦うべき相手がハッキリしている状況でその対決だけに重点を置いている、活劇的に王道かと思われます。味方にするなら言うまでもなく綾之部姉妹の方が良いな。というか、最初にこっちのルートに入ったので、珠美抜きになる別ルートはどうなるんだ?と思った。味方にして色々な意味で一番頼りになるのは珠美、一番戦闘要員として使えるのは可憐だよなぁ。恵は例外。それと、個人的には○○によるリョジョークシーンよりもチキンハートにもうちょっと頑張ってほしかったですなぁ。ほんと使えねぇ奴。
ともかく、一気に殆どのルートを消化しちゃうくらいの雰囲気は持ってるんですが、エンドにたどりつく度に出てくる言葉が「なんだコレ‥‥(呆)」だったりする訳で、評価もそんなとこで落ち着いちゃうんじゃないですかねぇ。意欲は買うしコンセプトも面白かったのに、それが活かし切れなかった微妙な作品だと思いました。でも、Leafにやる気があるなら、もっとこの路線がんばってほしいですな!!
全ルート終わらせたらメチャネタバレ偏雑記も書きます。